日本とアメリカ 2016 12 18

 日本とアメリカは、立場が逆です。
普通のアメリカ人だったら、こう考えます。
 アメリカは、広大な国土、肥沃な大地、美しい自然に恵まれている。
さらに、豊富な食糧に、豊富な地下資源もある。
 だからこそ、海の向こうの紛争にはかかわりたくない。
アメリカは、鎖国をしたい気分だ。
 このような内向きなアメリカ人が銃を持って戦う時は、
アメリカ本土が攻撃された時だけです。
 強いて言えば、海外の米軍基地が攻撃された時も、
銃を持って戦うかもしれません。
 そういうわけで、日本に多く存在する米軍基地は、
「人質」のようなものです。
 もし、日本が攻撃された時は、
ミサイルが在日米軍基地へ曲がるように日本人が念じると、
そうなるかもしれません。
 イラク戦争の時も、GPSによって正確にコントロールされたミサイルが、
不思議なことに、針路を変えて、予想外の場所へ着弾する現象が相次ぎました。
 当時、アメリカは、ロシアがミサイル妨害電波を出して、
ミサイルを妨害していると非難していました。
 私は、「水晶の涙ではないか」と文学的に指摘しました。
電波の受信装置には、人工水晶が使われます。
 さて、日本は、アメリカと逆です。
日本は、国土が狭く、しかも大部分が山岳地帯なので、
食糧も石油も、つまり資源は世界中から輸入しなければなりません。
そのうえ、自動車を輸出して稼いでいます。
だからこそ、商船三井は、世界最大級の海運会社と言われるわけです。
 そういうわけで、海の向こうの紛争は、他人事ではありません。
たとえば、原油輸入ルートが破壊されれば、日本は終わりです。
つまり、海上交通路のどこかが破壊されれば、そこで日本の命運は尽きます。
 今までは、アメリカが、好意で日本の海上交通路を守ってきました。
しかし、アメリカ経済も盤石ではなく、アメリカ財政に至っては厳しい状況です。
そうなると、外国の海上交通路まで守る余裕がないかもしれません。

8800億円の請求書 2014 11 30

書名 アメリカは、いつまで超大国でいられるか
著者 加藤 英明  祥伝社新書

 アメリカ人が、著者に、こう尋ねた。
「アメリカが中東の石油を必要としなくなったら、
今は、ペルシャ湾の自由航行を護るために、
第五艦隊を張り付けているが、撤収することになるね。
年間80億ドル(約8800億円)も、かかっている。
 アメリカが第五艦隊を引き揚げたら、
日本が、その後を引き受けてくれるかね?」
(以上、引用)
 アメリカでは、シェール革命により、
世界最大の「産油国」になることが有力視されています。
 さあ、日本は、どうする。
海上自衛隊の大艦隊をペルシャ湾に駐留させるのか。
それとも、毎年、必要経費をアメリカに支払うのか。
 もちろん、サウジアラビアも、
アメリカが第五艦隊を引き揚げたら、大いに困ることになるでしょう。
 なにしろ、ペルシャ湾を挟んで、
中東の軍事大国であるイランと対立しているからです。
 サウジアラビアは、人口が少ないので、
どう頑張っても、軍事大国になることはできません。
 もちろん、ひとつだけ方法があります。
核兵器を開発しているイランと同じように、
サウジアラビアも、核兵器を開発するか買うという方法があります。
 ただし、核兵器を開発するにしても、買うにしても、
ハードルが高いものとなります。
 そうなると、サウジアラビアと日本は、
ペルシャ湾をめぐって、お互いに軍事同盟を必要とする国になりますか。
 アメリカは、シェール革命がなくても、
「あんな危険なところから引き揚げたい」というのが深層心理でしょう。
 アメリカは、キリスト教国です。
聖書の最終章には、恐ろしいことが書いてあります。
どう読んでも、人類にとって「最終的な戦争」は中東で起こると読めます。
こうした聖書を子供の頃から読み聞かされてきたアメリカ人にとっては、
中東の石油を必要としなくなったら、早く引き揚げたい気分でしょう。
 Lexus-A時代を、日本は、どう生き残るのか。
「Lexus-A」とは、 東京大学准教授の池内恵氏が作った言葉です。
 これは、「League of Ex US Allies」の略であり、
日本語では、「元アメリカ同盟国連盟」だそうです。
サウジアラビア、トルコ、イスラエル、日本、さらに英国がメンバーらしい。
 おそらく、アメリカ本土が攻撃されない限り、
アメリカは動かないと考えておくべきでしょう。
それが、同盟国の、いや元同盟国の心得でしょう。










































































































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